ユーザー属性の重要性
Google Analyticsは、無料で使えるにも関らず様々なデータを収集し可視化することができます。しかし、多機能であるが故に、どこを見たらよいかわからないというご相談をお受けすることがよくあります。
弊社でお客様のWeb解析をするとき、必ず見るべき指標がいくつかありますが、その一つが「ユーザー属性」になります。なぜユーザー属性かというと、マーケティングをする上でペルソナを意識することが最も重要だからです。例えば、女性向けのファッションサイトを運用していた場合、男性しか見に来なければどうでしょうか?いくら膨大なPV数を稼いだとしてもそのサイトは成功とはいえないでしょう。
このように狙ったターゲットに正しく届いているのかを把握する上でユーザー属性は重要な指標と言えます。
Google Analyticsのユーザー属性とは
では、ユーザー属性ではどのような情報がわかるのでしょうか?
Google Analyticsのユーザー属性からは下記の情報を得ることができます。
・場所(国、地域、市区町村)
・言語
・年齢
・性別
・インタレストカテゴリ
このように得られた情報は、まさにペルソナを定義するときに使用するものと一致します。
どこで販売を行うのか、誰がターゲットなのか、業種を問わずいずれもビジネスをする上で重要な要素になります。またこれらはリスティング広告運用にも活かすことができるため、必ずみるべき指標になります。
Google Analyticsでユーザー属性はどのように知るのか
ここまででユーザー属性がマーケティングをする上で重要な要素であることがお分かりになったかたと思います。では、この情報はどのように取得しているのでしょうか?答えはサードパーティcookieによって行われています。
「サードパーティcookie?」となる方もいらっしゃる方もいるかと思いますが、HTTPプロトコルは、HTTPリクエスト(要求)とHTTPレスポンス(応答)のペアからなる状態保持の出来ない (ステートレス) プロトコルになります。Webサーバーとブラウザ間で行われる状態保持とは、例えばログインを一定期間保持するような仕組みや、ECサイトなどで利用されるお買い物チャートに商品を保持するようなことです。
以前の状態を覚えていないと、ネットで商品を購入できるECサイトは作れません。ネットショッピングをするのにログインし、商品をカートに入れ、購入します。 ページ遷移するたびに、通信は切断されてしまうなら、サーバーは、誰がカートに商品を入れ、購入したのかを全く覚えていないことになります。これでは、売買が成立しません。
ここで状態を保持(ステートフル)にするために開発されたのが、cookieになります。
サーバーがクライアントに対して識別できる一意の値を渡し、クライアントはリクエストするときに、その値を教えてあげれば、サーバー側で識別できるようになり、それぞれの状態を覚えることができます。
特定のサーバー、ブラウザ間で行われるcookieを当事者の意味を表すファーストパーティを用いて、ファーストパーティcookie と言います。
話をユーザー属性に戻すと、特定のサーバーではユーザー属性は分かりません。これをネット広告最大手のGoogleのネットワーク全体に広げて情報を共有するなら、これらの行動履歴からユーザー属性の推測が可能になります。但し、Webの行動履歴を推測したに過ぎず、確実ではないことは念頭に置いておくべきでしょう。
GA4でのユーザー属性
以前のブログで、Google Analytics 4 property (GA4)が2020年10月14日にリリースされたことをお伝えしました。
GA4を既にお使いの方は、「ユーザー属性のデータがない」と思われた方もいるかもしれませんが、この機能を有効にするにはちょっとわかりにくいところにありますので、下記を参考にしてみてください。
上記のようにユーザーの性別、年齢、インタレスト情報が出ない場合、
左側のメニューから「管理」を選択し、「データ設定」→「データ収集」より下記を有効にしましょう。
ユーザー属性が表示されたら、自社で設定、想定しているユーザーと合っているか今一度確認してみてください。 その他にも見るべき指標は数多くあります。Web解析に関するご相談は、デジタルドロップまでお問い合わせください。