先日行われた衆議院選挙で、SNSを活用し4倍の議席数を獲得するなど大躍進を遂げた国民民主党。今やSNSの活用は選挙の成功のカギとなってきました。デジタルとは最も遠いと感じる政治の世界でもSNSは利用されています。それではビジネスの世界ではどうでしょうか?必要性は感じていても、イマイチ運用に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。ここでは、SNS運用の始め方やポイントを分かり易く解説します。
目次
SNS運用とは?
SNS運用とは、企業がSNS(ソーシャルネットワークサービス)を活用し、自社の商品・サービスのPRやブランドイメージの向上、顧客とのコミュニケーションを図る活動です。SNS上では、投稿が一度拡散されるとその後も次々に他のユーザーによってシェアされ、急速に広がる効果が期待されます。このようなSNSの特性を活かすことで、短期間で多くの人に企業のメッセージやコンテンツを届けることができるため、SNS運用における拡散性のメリットは非常に大きいです。
B to C企業とB to B企業のSNS運用の違い
B to C(Business to Consumer)企業
B to C企業のSNS運用は、消費者に直接アプローチし、ブランド認知を高めたり、販売促進を行ったりするためにSNSを活用します。消費者は感情や欲求に基づいて素早く購入を決める傾向があるため、セールや広告を見ると「今買わなきゃ!」と思ってすぐに購入を決めることが多いです。そのため、ビジュアルやインタラクティブなコンテンツを多く活用し、消費者がすぐに行動を起こせるようなSNS運用が特徴です。
B to B(Business to Business)企業
B to B企業は、消費者向けのマーケティングとは異なり、他の企業や専門家との関係構築を重視し、主に商談や取引を目的としています。SNSを通じて、ブランドの信頼性を高めたり、業界のリーダーとしての地位を確立したり、新規取引先を獲得するための重要なツールとなります。コンテンツは比較的専門的で、ターゲットが企業やプロフェッショナルであるため、商談や契約を意識した内容になります。複数の担当者や部門が関与し、論理的な判断が重視されるため、購買プロセスは複雑で慎重に進むことが特徴です。
主要SNSの特徴
X(Twitter)
世界中の様々な人が利用するX(Twitter)は140文字以内の短文投稿を行うことができます。文字だけではなく、画像、動画、音声なども投稿できます。ニュースやエンタメ、トレンドなどの情報がリアルタイムでツイートされるため常に最新の情報を得られることが特徴です。
また、匿名性に優れているため気軽にコメントなどを発信できることも特徴の一つです。#(ハッシュタグ)という機能もあり、興味のある特定のテーマや話題を検索できます。その他にも、他のユーザーの投稿ツイートを自分のタイムラインに投稿することができるリツイートという機能もあり、情報の拡散性に優れています。情報の拡散性に優れているため、誤った情報を発信すると炎上してしまうリスクがあります。そのため、誤解を招かないように注意する必要があります。
Facebookは実名登録のため、知り合いや友人、同僚、家族などと繋がりやすいことが特徴です。また、複数のアカウントを持つことが禁止されているため、1人1アカウントとなっています。30~50代の利用率が高く、フォーマルな環境が構築されているため、ビジネスシーンで利用されることが多く見られます。匿名性はないため炎上のリスクは少ないとされています。
企業、ブランド、組織等が情報を発信する手段としてFacebookページというものがあります。Facebookページに「いいね!」やページをフォローすることで、ページの最新情報がフィードに表示されるようになります。
その他にも、X(Twitter)のように文字数制限がないため、伝えたい内容を詳しく発信することができます。
Instagramは、10代〜20代の利用率が高く、若者向けではあるが、50代60代からも利用されており、全世代から利用されているSNSだと言えます。男性よりも女性の利用率が高く、ファッションやグルメなどの情報を収集する人が多い傾向があります。
また文字だけではなく、動画や画像を投稿することができます。24時間限定で投稿できるストーリー機能では、動画や画像を投稿できます。ストーリーには加工機能があり、文字や画像を複数枚組み合わせてコラージュすることもができます。ライブ配信も行うことができ、リアルタイムでフォロワーとコミュニケーションを取ることができます。ライブ配信だけではなく、投稿からも商品やキャンペーンを効果的にPRすることができます。
LINE
LINEは年代問わず、全ての年代で利用されています。無料の音声通話やビデオ通話、チャット機能があることが特徴です。家族、友人、知り合いだけではなく、ビジネスアカウントからも情報を受け取ることができます。LINEはメッセージの開封率が高く、画像、動画、スタンプ、クーポンなど様々なコンテンツでユーザーと交流できるため、企業が公式のアカウントを作成し、活用することで効果的にSNS運用を行うことができます。
YouTube
YouTubeは、世界中で利用されている動画共有SNSです。無料でゲーム、音楽、料理など興味のある動画を簡単に見つけることができます。チャンネルを作成することで誰でも動画を投稿することができますが、多くの人は動画視聴を楽しむことを目的としています。
最近ではショート動画の需要も高まっています。YouTube動画を見るよりも、短い時間で楽しむことができるので長尺の動画だけではなく、ショート動画の投稿も一緒に活用していくことで視聴回数が増加する可能性があります。
TikTok
TikTokとは、15〜60秒のショートムービーを誰でも簡単に作成・投稿することができるプラットフォームです。豊富な音楽や効果音を使用し、クリエイティブな動画を作成することができます。トレンドの音楽や、ハッシュタグを使用した動画が次々に生まれることも特徴の一つです。ライブ配信機能もあり、よりフォロワーと身近にコミュニケーションを取ることができます。誰でも簡単に動画投稿しやすいため、始めやすく、動画の再生回数が急激に伸びるバズることで「いいね」、コメント、フォロワーの増加が期待できます。
Linkedinとは、主にビジネスやキャリア関連に特化したSNSです。仕事や職業的なネットワークを築くためのプラットフォームで、世界中のビジネスマンや企業が利用しています。特徴として、履歴書代わりに使用できるプロフィールを作成し、職業や学歴、スキルを公開することができます。これにより、仕事探しやキャリアアップ、ビジネスチャンスを得るためのツールとして活用されています。その他にも同業者や企業のリーダー、業界の専門家と繋がることができます。求人検索にも使用されており、企業が求める経験やスキルに基づいた求人レコメンデーションを受けることも可能です。また、投稿では業界に関する情報や自分の意見や仕事の成果などを共有することができることも特徴として挙げられます。
SNS運用の始め方
①目的設定
SNS運用を始める上で、「目的設定」を明確にすることが最も重要になります。目的を定めることで、どのようなコンテンツを誰に伝えたいのかが明確になり、効果的にSNS運用を行うことができます。「何を達成したいのか」、「誰に伝えたいのか」は最低限決めておきましょう。ターゲットを設定することで、活用するSNSの選定にも関わっていきます。
②活用するSNSの選定
活用するSNSを選定します。先ほど決めた 「何を達成したいのか」、「誰に伝えたいか」で活用するSNSは変化していきます。
SNSごとの特徴を意識して選定してみましょう。
SNS | 特徴 | 活用例 |
X(Twitter) | 140文字での情報発信 リアルタイムの情報共有、情報の拡散性が高い | 企業の公式ページ イベント告知、広告(新商品等) |
30代、40代の利用率が高い 文字数制限がない | 企業の公式ページ | |
写真、動画投稿に特化 ライブ配信 | ファッションブランド、飲食店 | |
LINE | 1対1のコミュニケーション 身近なツール | クーポン配布 イベント告知、広告(新商品等) |
YouTube | 長尺の動画投稿、ライブ配信 | 教育、エンタメ |
TikTok | 15〜60秒のショートムービー投稿 10代、20代に人気、ライブ配信 | ダンス、歌 広告(新商品等) |
オンライン履歴書 ビジネスとキャリアに特化 | リクルート活用 ビジネスネットワーキング |
③コンテンツの計画
活用するSNSが決まったらコンテンツの計画を立てましょう。目的、ターゲットに合わせたテキスト投稿、画像投稿、動画投稿を考えましょう。また、投稿する頻度についても吟味することが求められます。時間帯や頻度を変えることでターゲットへの伝わりやすさが変化します。
計画を立てることができたら、マニュアルを作成しましょう。マニュアルを作成することで、運用フローを可視化することができ、業務の効率が上がります。その他にも、新規担当者への引き継ぎをスムーズに行うこと、適切なマニュアルを作成することで炎上を防止することができます。
④分析と改善
SNS運用において データの分析と改善は必要不可欠です。単に投稿するだけではなく、データに基づいて分析することで戦略を立て、継続的に改善していくことで効果的にSNS運用を行うことができます。
分析する項目として、以下が挙げられます。
- フォロワー数 アカウントをフォローしている数(増加率、減少率等)
- エンゲージメント数 ユーザーからの反応の数(いいね、コメント、シェア等)
- インプレッション数 投稿の表示回数
- リーチ数 投稿が実際に届いた人数
- クリック数 広告のクリック回数
- コンバージョン数 商品購入や問い合わせの回数
分析ツールとして、Instagram Insights、Twitter Analytics、Googleアナリティクスがあります。これらの分析ツールを使用することで、現状の課題を把握し、改善のための仮説を立てることができます。
まとめ
SNS運用にはメリットとともにいくつかのリスクも存在します。SNS運用を効果的に行うことで、新規顧客の獲得、ブランド認知度の向上、売り上げ向上への一歩となります。継続的に分析を行い改善を繰り返すことで効果的な発信が可能になります。 今回の記事で紹介したポイントを踏まえ、SNS運用を効果的に活用し、ビジネスの成長につなげてください。
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