企業のマーケティングにおいて、動画活用はもはや“標準施策”と言えるほど重要性が高まっています。特に、製品紹介やウェビナーのアーカイブ、ブランディングコンテンツとして「3分」という長さは、視聴者に短い時間で適切な情報量と満足感を提供できるため、非常に効果的です。
しかし、専門部署がない場合、「動画編集を外注したいが、一体いくらかかるのか?」「見積もりを取ったが、価格差の原因は何か?」といった費用に関する疑問が、プロジェクト推進の最初の壁となります。
本記事では、グローバル基準でビジネスを展開されるマーケティングご担当者様に向けて、3分間の動画編集における費用相場を徹底解説します。単なる料金表だけでなく、コストを左右する要因から、最適なアウトソーシングパートナーを見つけるための具体的なポイントまで、ビジネスの意思決定に直結する情報をお届けします。
- 3分動画編集の費用相場(品質別・依頼先別)。
- 費用の内訳と主要な変動要因。
- 制作会社/フリーランスの選定基準。
- 見積・契約時の確認項目と注意点。
目次
- 1 3分動画編集の費用相場とは?品質・依頼先別に徹底比較
- 2 動画編集費用の内訳と価格が変動する理由
- 3 制作会社とフリーランス、どちらを選ぶべき?選定基準を解説
- 4 動画編集の見積・契約で確認すべき5つのポイント
- 5 動画編集を内製化する場合のコスト
- 6 動画編集の戦略的パートナーをお探しなら、デジタルドロップへ
- 7 動画編集に関するよくある質問(FAQ)
- 7.1 YouTube用の動画と、Webサイトに掲載するサービス紹介動画では、同じ3分でも料金は変わりますか?
- 7.2 提示された見積もりが「編集一式」となっていますが、具体的にどこまでの作業が含まれているか確認すべきですか?
- 7.3 3分の動画を依頼した場合、初稿が上がってくるまでの一般的な納期はどのくらいですか?
- 7.4 編集を依頼するにあたり、こちらで撮影した素材(元素材)は、どれくらいの長さ(分数)で渡すのが適切ですか?
- 7.5 契約後に、当初の想定より大幅な修正をお願いした場合、どのような追加料金が発生しますか?
- 7.6 継続的に月2本のペースで3分の動画編集を依頼する場合、単発で依頼するよりボリュームディスカウントは可能ですか?
- 8 3分動画編集の相場まとめ
3分動画編集の費用相場とは?品質・依頼先別に徹底比較

まず、マーケティングご担当者様が最も知りたい「3分の動画編集にいくらかかるのか?」という疑問に、結論からお答えします。費用は動画に求めるクオリティや目的によって大きく変動しますが、以下の表は、動画編集の予算を検討する際の“出発点”として活用いただけます。
動画のクオリティ別・料金マトリクス
動画編集の費用は、求めるクオリティによって大きく変動します。以下のマトリクスでは、編集レベルごとの主な用途と費用感を整理しています。自社の目的に合った編集タイプを選ぶ際の参考にしてください。
クオリティレベル | 費用相場(3分) | 主な用途・編集内容 |
シンプル編集 | 3万円~10万円 | 社内研修、議事録、簡易的なWebコンテンツ・カット編集・基本的なテロップ挿入・BGM挿入 |
スタンダード編集 | 5万円~15万円 | 製品・サービス紹介、ウェビナー、採用動画・シンプル編集の内容・モーショングラフィックス・デザイン性の高いテロップ・図表やグラフの挿入 |
プレミアム編集 | 15万円~ | 広告、ブランディング動画、イベント映像・スタンダード編集の内容・高度なCGやアニメーション・複数カメラ映像の編集・カラーグレーディング(色彩補正) |
依頼先による相場の違い
編集の依頼先によっても、費用や対応範囲に違いがあります。制作会社とフリーランス、それぞれの特徴と費用感を比較した表をご覧ください。
依頼先 | 費用相場(3分) | 特徴 |
動画制作会社 | 10万円~ | 品質が安定しており、企画から進行管理まで一任可能。 |
フリーランス(個人) | 3万円~10万円 | 費用を抑えやすいが、スキルや信頼性の見極めが重要。 |
このように、一口に「3分の動画編集」と言っても、その価格には大きな幅があります。次の章では、なぜこれほどの価格差が生まれるのか、その内訳と変動要因を詳しく見ていきましょう。
動画編集費用の内訳と価格が変動する理由
提示された見積もりが適正価格なのかを判断するためには、価格を構成する要素を理解することが不可欠です。動画編集の費用は、主に以下の3つの要素の組み合わせで決まります。
編集内容の「複雑さ」が価格を左右する
編集作業は、単純なものから高度な専門技術を要するものまで多岐にわたります。作業内容が複雑になるほど、必要な時間とスキルレベルが上がり、費用も高騰します。
カット編集・テロップ挿入(基本的な作業)
これは動画編集の最も基本的な工程です。「えーっと」「あのー」といった不要な間をカットし、発言内容をテロップとして表示させる作業です。シンプルですが、動画全体のテンポを良くし、視聴者の理解を助ける重要な作業です。
BGM・効果音の選定と挿入
動画の雰囲気を決定づけるBGMや、視聴者の注意を引く効果音(SE)を挿入します。単純な挿入作業だけでなく、動画のトーンに合った楽曲を選定するセンスや、著作権フリー音源・有料音源ライセンスに関する知識も求められます。
モーショングラフィックス・アニメーション
テキストやロゴ、図形に動きをつける技術です。例えば、製品の特長をテキストで表示する際に、動きをつけるだけで視聴者の視線を集め、記憶に残りやすくなります。ゼロから作成するには専門スキルと多くの時間が必要なため、価格を押し上げる大きな要因となります。
カラーグレーディング(色彩補正)
映像全体の「色味」を調整し、トーンを統一する専門的な作業です。複数の場所や日時に撮影された映像の色合いを合わせたり、ブランドカラーを反映させて高級感や親近感を演出したりします。映像のクオリティを飛躍的に向上させますが、専門の知識と経験が必要です。
ナレーション収録
プロのナレーターによる音声を追加する場合、ナレーターのランクや収録時間に応じた費用が発生します。スタジオのレンタル費用も含まれることがあります。
依頼する「パートナーの経験・専門性」による違い
同じ作業内容でも、誰が担当するかによって費用は変わります。
- 実績豊富なディレクターやエディター 経験豊富なプロフェッショナルは、単に指示通りに編集するだけでなく、「この部分は見せ方を変えた方が、よりメッセージが伝わります」といったマーケティング視点からの提案をしてくれることがあります。その付加価値が価格に反映されます。
- 業界特有の知識を持つ専門家 例えば、医療、IT、金融といった専門性の高い業界の動画を依頼する場合、その分野の知識を持つ編集者であれば、専門用語の扱いや表現のニュアンスを正確に理解してくれるため、コミュニケーションコストが下がり、結果的に動画の質も高まります。
「素材」の有無とクオリティ
編集の元となる映像や画像、BGMといった「素材」をどちらが用意するか、またその質によっても費用は変動します。
- 撮影済みの素材を提供する場合 編集作業のみの依頼となるため、費用を抑えることができます。
- 撮影から依頼する場合 撮影クルー(カメラマン、音声、照明など)の人件費や機材費、交通費などが別途必要となり、総額は大幅に上がります。
- 提供素材の品質が低い場合 例えば、手ブレがひどい、音声にノイズが多いといった質の低い素材を提供すると、それを補正するための追加作業(手ブレ補正、ノイズ除去など)が必要となり、追加料金の原因となります。
制作会社とフリーランス、どちらを選ぶべき?選定基準を解説

アウトソーシング先は、大きく「制作会社」と「フリーランス(個人)」に分けられます。それぞれにメリット・デメリットがあり、プロジェクトの目的や予算に応じて最適な選択は異なります。
制作会社に依頼するメリット・デメリット
まずは、動画制作会社に依頼するメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット | デメリット | |
品質・信頼性 | ディレクター、編集者、デザイナーなどチームで対応するため、品質が安定しやすい。 | 担当者が複数人になるため、細かなニュアンスが伝わりにくくなる場合がある。 |
対応範囲 | 企画、構成、撮影、編集、納品までワンストップで対応可能。プロジェクト管理を一任できる。 | 部分的な作業(編集のみなど)の依頼だと、割高になることがある。 |
スピード | 複数人体制で分業できるため、短納期や大量の依頼にも対応しやすい。 | 社内での確認プロセスなどがあり、フリーランスに比べて意思決定が遅れる場合がある。 |
コスト | 間接費(人件費、オフィス賃料など)が含まれるため、フリーランスより高額になる傾向。 | |
安心感 | 契約書やコンプライアンス体制が整っており、法人取引としての安心感が高い。 |
フリーランスに依頼するメリット・デメリット
次は、動画編集をフリーランスに依頼するメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット | デメリット | |
コスト | 間接費がかからないため、制作会社に比べて費用を抑えやすい。価格交渉の余地も大きい。 | |
柔軟性・スピード | 個人との直接のやり取りになるため、意思決定が速く、柔軟な対応を期待できる。 | 個人のスキルや経験に品質が大きく依存する。信頼できる人を見極めるのが難しい。 |
コミュニケーション | 担当者と直接コミュニケーションが取れるため、細かな要望を伝えやすい。 | プロジェクト管理は発注者側で行う必要がある。進行が属人化するリスク。 |
信頼性 | 急な体調不良や事故などで、作業がストップするリスクがある。廃業のリスクもゼロではない。 |
貴社に合うのはどちら?目的別パートナー選定ガイド
結論です。
ブランドイメージを重視する広告動画や、全社的な採用プロジェクトで使う動画なら制作会社がおすすめです。その理由は、品質の安定性とプロジェクト全体の進行管理能力が、企業の信頼性を担保する上で重要になるためです。
定期的に開催するウェビナーのアーカイブ編集や、SNS用のコンテンツなど、継続的かつコストを重視するなら 信頼できるフリーランスを見つけ、依頼しましょう。理由としては、良好なパートナーシップを築ければ、コストを抑えつつ、安定的に動画を制作できるためです。
動画編集の見積・契約で確認すべき5つのポイント
最適なパートナー候補が見つかったら、契約前に必ず以下の5つのポイントを確認しましょう。ここを怠ると、「思ったものと違う」「追加料金が思ったよりかかった」といったトラブルの原因になります。
ポイント1:実績で「作りたい動画のイメージ」と合致するか確認する
過去の実績を見せてもらい、自社が目指す動画のテイストやクオリティと合っているかを確認します。特に、同じ業界や似たような目的の動画制作実績があれば、有力な候補となります。
ポイント2:見積もりの内訳は明確か?
「動画編集一式:○○円」といった大雑把な見積もりには注意が必要です。「カット編集」「テロップ作成」「BGM選定」など、どの作業にいくらかかるのかが明記されているかを確認しましょう。内訳が明確であれば、後から「この作業は含まれていません」と言われるリスクを避けられます。
ポイント3:修正回数の上限と、追加料金の規定を事前に確認する
「初稿提出後、修正は2回まで無料。3回目以降は1回につき○○円」といったように、修正に関するルールを必ず書面で確認します。ここが曖昧だと、修正のたびに追加料金が発生し、予算を大幅に超えてしまう可能性があります。
ポイント4:コミュニケーションは円滑か?
問い合わせへの返信速度や、こちらの意図を正確に汲み取ってくれるかなど、契約前のやり取りも重要な判断材料です。専門用語ばかりで説明するのではなく、こちらのレベルに合わせて分かりやすく説明してくれるパートナーは信頼できます。
ポイント5:契約条件の確認
納品された動画の著作権はどちらに帰属するのか(通常は発注者)、厳守すべき納期、支払いサイトなど、ビジネスの基本となる契約条件をしっかりと確認しましょう。
動画編集を内製化する場合のコスト
外注費用が高いと感じた場合、「内製化」という選択肢が頭をよぎるかもしれません。しかし、内製化には金銭的なコストだけでなく、時間的コストも発生します。ROI(投資対効果)を判断する上で、これらの「見えないコスト」を把握しておくことが重要です。
初期投資(金銭的コスト)
- 編集ソフト: Adobe Premiere Proなどプロ向けソフトは年間7万円~
- 高性能PC: 快適に動画編集を行うには、30万円以上のスペックが推奨されます。
人的コスト(最も高額なコスト)
- 担当者の学習時間: 未経験者が基本的な編集スキルを習得するには、最低でも50~100時間の学習が必要です。
- 編集作業時間: 3分の動画を仕上げるには、慣れた人でも10~20時間程度かかります。
このように専門外の社内スタッフが動画編集作業を行うのは、多くの場合、費用対効果が見合いません。アウトソーシング費用は、これらの「見えないコスト」を回避し、プロの品質と時間を買うための「投資」と考えるのが合理的です。
動画編集の戦略的パートナーをお探しなら、デジタルドロップへ

ここまで3分の動画編集における相場やパートナー選びのポイントについて解説してきましたが、最も重要なのは「誰と、何のために動画を作るのか」という視点です。動画は、制作して終わりではなく、ビジネスを成長させるための戦略的な「資産」でなくてはなりません。
動画編集を“戦略的な資産”として活用したい企業様へ。デジタルドロップは、単なる制作会社ではなく、マーケティング成果に直結する動画活用を支援するパートナーです。
Webマーケティングのプロフェッショナルとして、SEOや広告運用の知見を活かし、制作した動画がターゲットに届き、いかにして成果を出すかまでを見据えた一気通貫のサポートを提供します。なぜこの表現なのか、なぜこの構成なのか。全てのクリエイティブに戦略的な意図を持たせ、貴社のマーケティングチームの一員としてプロジェクトに伴走します。
「動画という投資」のROI(投資対効果)を最大化したいとお考えなら、ぜひ一度デジタルドロップにご相談ください。貴社のビジネスを加速させる一本を、共に創り上げます。
動画編集に関するブログ記事一覧動画編集に関するよくある質問(FAQ)
YouTube用の動画と、Webサイトに掲載するサービス紹介動画では、同じ3分でも料金は変わりますか?
はい、料金は変わる可能性が高いです。これはプラットフォームの違いよりも、動画の「目的」と「編集の密度」が異なるためです。YouTube動画は視聴者維持率が重視されるため、飽きさせないようカット数を増やし、テロップや効果音を多用する傾向があります。
一方、Webサイトのサービス紹介動画は、企業の信頼性やブランドイメージを伝えるため、洗練されたモーショングラフィックスや丁寧なカラー調整が求められます。依頼時には「YouTube用」「サービス紹介用」と伝えるだけでなく、それぞれの目的と参考イメージを共有することで、より正確な見積もりが得られます。
提示された見積もりが「編集一式」となっていますが、具体的にどこまでの作業が含まれているか確認すべきですか?
必ず内訳の確認をお勧めします。これは後々の追加料金トラブルを防ぎ、両者の認識を合わせるために不可欠です。最低でも「BGM・効果音の選定とライセンス費用」「修正回数の上限」「モーショングラフィックスの作業範囲」「有料素材(ストックフォト等)の使用料」などが含まれているかを確認しましょう。
「編集一式」のまま契約すると、「その作業は別途費用です」となるリスクがあります。プロフェッショナルな制作会社やフリーランスほど、尋ねれば快く詳細な内訳を提示してくれます。
3分の動画を依頼した場合、初稿が上がってくるまでの一般的な納期はどのくらいですか?
一概には言えませんが、一般的な目安として、編集に必要な素材をすべて受け取ってから「5営業日~3週間程度」を見ておくとよいでしょう。ウェビナーのアーカイブなど、カットとテロップが中心のシンプルな編集であれば5営業日~1週間程度。
一方、モーショングラフィックスを多用するサービス紹介動画など、複雑な編集を要する場合は2~3週間、またはそれ以上かかることもあります。制作パートナーの稼働状況にも左右されるため、契約前に必ずスケジュールを確認することが重要です。
編集を依頼するにあたり、こちらで撮影した素材(元素材)は、どれくらいの長さ(分数)で渡すのが適切ですか?
撮影した素材をすべて渡すのは、コスト増加に繋がるため推奨されません。編集者が映像の中から使用部分を探す時間も作業工数に含まれるからです。理想は、完成の長さ(3分)の2~3倍、つまり「6分~18分程度」に事前に絞り込んで渡すことです。
社内で映像を確認し、使用したい部分のタイムコード(例:動画Aの15分03秒~15分28秒)をリスト化して共有するだけで、編集効率は劇的に向上し、結果的にコスト削減にも繋がります。
契約後に、当初の想定より大幅な修正をお願いした場合、どのような追加料金が発生しますか?
当初の契約範囲を超える大幅な修正は、高額な追加料金が発生する可能性が高いです。例えば、テロップの誤字修正などは無料の修正回数内で対応できますが、「動画の構成を根底から変えたい」「主要な映像素材を差し替えたい」といった場合は、ほぼ作り直しに近い作業となるためです。
その場合、時間単位での追加料金(1時間5,000円~15,000円が目安)や、作業範囲に応じた再見積もりとなるのが一般的です。これを防ぐためにも、編集作業開始前の「構成案のFIX」が極めて重要になります。
継続的に月2本のペースで3分の動画編集を依頼する場合、単発で依頼するよりボリュームディスカウントは可能ですか?
はい、ボリュームディスカウントが可能なケースは非常に多いです。制作側にとって、単発案件を毎回探す営業コストが削減でき、安定した収益が見込めるため、発注者側に価格で還元しやすくなります。
「月2本契約」といった形で中長期的なパートナーシップを提示することで、単発依頼に比べて1本あたり10~20%程度の割引が期待できる場合があります。継続的な動画活用を計画している場合は、ぜひ交渉材料としてみてください。双方にとってメリットのある、良好な関係を築くきっかけにもなります。
3分動画編集の相場まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
- 3分の動画編集相場は、クオリティに応じて3万円から20万円以上と幅広い。
- 価格は「編集内容の複雑さ」「パートナーの専門性」「素材の有無」という3つの要素で決まる。
- パートナー選びは、品質安定の「制作会社」か、コストと柔軟性の「フリーランス」かを、プロジェクトの目的や重要度に応じて戦略的に選ぶ。
動画編集の外注は、単なる作業の依頼ではありません。最も重要なのは、その費用を「コスト」ではなく、ビジネス目標を達成するための「投資」と捉えることです。
動画を通して「誰に、何を伝え、どうなってほしいのか」というマーケティングの根幹となるKPI(重要業績評価指標)を明確にすること。それこそが、適切な予算を判断し、最適なパートナーと共に動画マーケティングを成功へと導く、一番の近道となるでしょう。